男性の過労自殺に対する6000万円の賠償命令、上司のパワハラが引き金に
大分県佐伯市に所在する海運会社「福永海運」の男性従業員が、自らの命を絶った背景には過重な業務やパワーハラスメントがあったとされ、両親が会社に対して約6800万円の損害賠償を求めて提起した訴訟において、福岡地裁は19日、従業員が業務によって精神障害を発病し、自殺に至ったことを認め、会社と上司に対して計約6600万円の支払いを命じました。
判決の内容とその背景
判決を下した林史高裁判長は、上司から送信された「ナマケモノの態度を改めなければあなたを必要とする理由が見当たりません」といった内容のメールについて、「人格をおとしめる表現であり、業務上の必要性はなく、社会的相当性を欠く不適切なものである」と指摘しました。このような言葉が、従業員の精神的な健康にどれほどの影響を与えたかは計り知れません。
判決によると、従業員であった滝本明範さんは、2019年4月8日に自宅で自殺を図りました。この日、彼は書類の訂正を指示されており、業務の過重さが彼に大きなストレスを与えていたことが伺えます。また、佐伯労働基準監督署は、滝本さんが時間外労働(残業)が増加し、パワハラを受けていたことを認め、2021年4月には労災認定を行っています。
遺族の思いと会社の反応
記者会見に臨んだ滝本さんの父親(68)は、「ここに至るまで長かった」と語り、息子の死に至った経緯を振り返りました。遺族にとって、この判決は一つの区切りであると同時に、今後の労働環境の改善を求める声としても受け止められています。
一方、福永海運は「判決の詳細を確認できておらず、コメントは差し控える」との姿勢を示しています。企業としての責任をどのように果たすのか、今後の対応が注目されます。