両陛下が愛子さまへの思いを語る 沖縄慰霊の旅で平和の願いを継承

天皇皇后両陛下は戦後80年に際した沖縄への慰霊に長女愛子さま(23)を連れて行かれた。初めてとなる愛子さまの訪問は、両陛下の強い意向で実現した。

沖縄の声を聞く重要性

戦争経験者が減り、記憶の継承が課題となる中で「沖縄の声をじかに聞き、平和への思いを育んでほしいと考えられた」と側近は明かす。

世代を超えて語り継ぐ意思は沖縄も同じだ。両陛下は6月4日午後、糸満市にある国立沖縄戦没者墓苑を訪れ、太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなった約18万人が眠る納骨堂に白い花束を手向けて深々と頭を下げた。

立ち会った遺族のもとに歩み寄り、いたわりの言葉をかける両陛下。そのそばで、愛子さまはじっと遺族の目を見つめた。天皇、皇后の公的な訪問に皇族が同行するのは極めて異例だ。

次世代への思い

「私たちは次の世代に戦争の惨禍を引き継いでいきたいと考えている。愛子にも心を寄せていってもらいたいと考えている」。側近によると、両陛下はこう話し、愛子さまを同伴させることが決まったという。

戦後生まれの両陛下は、上皇ご夫妻から戦時中の話を折に触れて聞き、愛子さまも同様の機会を持ってきた。天皇陛下は2月の誕生日記者会見で、戦争の記憶を共有していく重要性を指摘している。

一方で戦争経験者は高齢となり、語ることが難しくなった。その中でバトンをつなぎ、語り部を担っている若い人たちの存在が「戦後80年を迎える今日、一層意義深いものとなっている」と述べた。

若い世代の活動

平和学習講師として活動する那覇市の仲本和さん(25)もその一人だ。「戦争を知らない自分が必死に学び、語ることで伝わるものがあるはずだ」といい、各地の講演では「戦争を自分のこととして捉えてもらえるように」と、子どもたちに訴えかける。

この日、慰霊を終えた天皇ご一家と懇談した。愛子さまは同年代が語り部の活動を始めた理由を深く知りたがった。「沖縄に何度も足を運んでほしい」。仲本さんはそう期待した。

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