米原発で冷却水4トン超漏洩、手順無視の虚偽報告が発覚

【ワシントン共同】米中西部イリノイ州のクアッドシティーズ原発において、2023年に原子炉の停止作業中に運転員が手順書を無視し、弁が閉じているか確認せずに作業を進めた結果、冷却水約4500リットルが漏れ、炉の水位が低下するというトラブルが発生したことが、原子力規制委員会(NRC)の報告書で明らかになった。NRCは今年5月、現場責任者が上司の叱責を恐れ、「ホースの損傷が原因」と虚偽報告を行ったことを含む6件の違反があったと通知し、処分を検討している。

安全軽視の体質

この問題は、個人の責任にとどまらず、組織全体としての安全を軽視する体質が露呈した形となった。こうした姿勢は、東京電力福島第1原発事故でも指摘されており、原発の運営における安全文化の重要性が再認識されるべきである。

漏れは発生から6分後に止まったが、もしあと9分続いていた場合、冷却水が核燃料の上端まで低下する恐れがあった。この事態に対し、科学者らで構成される米団体「憂慮する科学者同盟」は、「炉心損傷や放射性物質の放出の可能性がある大事故の前兆だった」と批判している。

クアッドシティーズ原発の概要

クアッドシティーズ原発は、電力大手コンステレーション・エナジーが運用しており、福島第1原発と同じ沸騰水型の原子炉が2基存在する。原発は1973年に運転を開始し、地域の電力供給に重要な役割を果たしている。

今回のトラブルは、原発の運営における手順遵守の重要性を再確認させるものであり、今後の安全対策の強化が求められる。原子力の安全性を確保するためには、運転員の教育や組織文化の改善が不可欠である。

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