早朝のモスクでの騒音と誤情報がSNSで拡散、関係者が困惑

大阪市西成区にあるモスク(イスラム教礼拝所)に関する誤情報動画が、交流サイト(SNS)上で拡散している。この動画は、祈りの時間を告げる「アザーン」が早朝に大音量で流れるという内容で、モスク側は「間違った情報を信じないで」と困惑している。衆院選では外国人政策が争点にもなっており、誤情報による排外主義の拡大を懸念している。

誤情報の拡散とその影響

「大阪、午前4時」「大音量」。昨年12月16日、X(旧ツイッター)で字幕付きの動画が投稿された。この映像では、モスクのスピーカーからアラビア語の音声が市街地へ流されている様子が映し出されており、今年1月30日までに約71万回閲覧された。「毎朝流されたらおかしくなりそう」「騒音公害」といった非難がX上で相次いでいる。

モスクの代表であるヘリザル・アダルデイさんは、「午前4時に外のスピーカーは使っていない」と明確に否定している。映像は3年前にスピーカーのテストで午後の時間帯にアザーンを流してみた際のもので、切り取られた可能性があるという。

誤情報の影響と地域の反応

米メルトウォーター社のSNS分析ツールで検証したところ、動画投稿の翌日には、誤情報に関連した投稿がリポスト(転載)を含めて1日当たり約8100件と急増した。動画投稿の約1週間前にも似た内容の別動画が存在し、今年1月27日までに計約2万5千件以上となった。

大阪市には「近隣住民が困っているのを黙認するのか」といった趣旨のメールが届き、担当者がモスクを3回訪問したが、アザーンで外に音が漏れている事実は確認できなかった。近くの老人ホームで働く40代の女性職員も「泊まりのスタッフもいるが、音が聞こえるという話はない」と首をかしげている。

モスクの対応と今後の懸念

投稿の拡散後、モスクにはユーチューバーや国政政党の関係者を名乗る男性も訪れたが、ヘリザルさんは内部を案内した。「誰にでも丁寧に接するのがイスラムの教え。何も隠していない」と語る。国内で暮らす外国人を巡っては、事実と異なる情報の拡散が問題となっている。

昨年9月、北海道江別市内の違法建築全てをパキスタン人の建物だとする誤情報が広がり、SNSで「違法外国人村」といった発信が相次いだ。10月には市内のパキスタン人男性の中古車店にロケット花火が打ち込まれる事件も発生した。

昨年の参院選に続いて、衆院選でも外国人政策は争点の一つとなっている。誤った情報を基にした主張が飛び交えば、ムスリムの生活にも「プレッシャーがかかるのでは」とヘリザルさんは憂慮している。「やっていないことを、しているかのように言われるのは悲しい。情報をうのみにせずに、自分で確認してほしい」と訴えた。

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