救急搬送拒否で精神的苦痛を訴える独居女性、高松市を提訴予定
救急搬送拒否の訴訟
高松市に住む68歳の女性が、同乗者がいないという理由で救急搬送を拒否されたとして、市に対し損害賠償を求める訴訟を高松地裁に提起する意向を示したことが、18日の関係者への取材で明らかになった。女性は一人暮らしであり、緊急性が高かったにもかかわらず搬送されず、治療が遅れた結果、精神的苦痛を受けたと主張している。
市によると、搬送時に関係者の同乗が必要であると定めた法令は存在しない。市の救急業務に関する規定では、傷病者が搬送を拒否した場合や、症状が軽く診察が不要な場合には搬送しないことも可能とされているが、女性の代理人弁護士は、今回のケースはこれらの条件には該当しないと述べている。
緊急時の対応
2024年12月、女性は自宅で下痢や嘔吐が続いたため、知人に119番通報を依頼した。現場に駆けつけた消防隊員は、同乗者がいないため搬送できないと伝え、そのまま撤収した。その後、女性は再度知人に連絡し、同乗してもらった上で病院に搬送された。診断の結果、イレウス(腸閉塞)とされ、入院を余儀なくされたが、数日後には退院した。
女性は「本当はこんな大げさなことはしたくなかった」と語りつつも、「1人暮らしの老人も多く、自分だけの問題ではない」との思いを明かした。
救急業務の課題
今回の事例は、救急搬送に関する運用の在り方や、緊急時の対応についての課題を浮き彫りにしている。特に高齢者の一人暮らしが増加する中で、同様の問題が今後も発生する可能性がある。市は、救急業務の運用に関する規定を見直す必要があるのではないかとの声も上がっている。
この訴訟がどのような結果をもたらすのか、今後の動向が注目される。