奈良のシカ、過去最多の1465頭に けがの増加で訪日客に警告
奈良公園(奈良市)に生息する国の天然記念物である「奈良のシカ」の頭数が、4年連続で増加し、今年は過去最多の1465頭に達したことが、保護団体「奈良の鹿愛護会」の調査によって明らかになった。シカたちは好物の鹿せんべいを求めて観光客に寄ってくる姿が人気を集めているが、一方でシカによるけがも多発しており、県などが多言語で注意を呼びかけている。
調査結果の詳細
愛護会は7月15日と16日の2日間にわたり、調査を実施した。調査結果によると、内訳は雄が315頭、雌が816頭、子ジカが334頭で、合計は昨年より140頭多かった。調査は立ち入り禁止区域を除くエリア内で目視によって行われ、同様の方法での調査は1953年から続けられている。これまでの最多は2019年の1388頭であり、2020年と2021年には減少が見られたが、その後は増加傾向にある。
この増加は観光業にとっては喜ばしいニュースであるが、シカによる人身事故の件数も増加している。県によると、2021年度を境に事故件数は右肩上がりとなり、2024年度には159件に達する見込みで、そのうち外国人による事故は111件に上るという。写真撮影のためにシカに過剰に触れたり、鹿せんべいをじらして与えたりする行為が、事故の原因となっている。
共生のための取り組み
奈良のシカと観光客との共生を図るため、県や愛護団体は多言語で注意喚起を行っている。観光客にはシカとの接触を控えるよう呼びかけており、特に子供連れの家族や外国人観光客に対しては、シカの生態や注意点を説明する取り組みが進められている。シカたちの生息環境を守りつつ、観光客が安全に楽しめるような環境作りが求められている。
今後も奈良公園のシカの生息数が増加する中で、観光客との接触による事故を防ぐための対策が重要となる。シカの保護と観光の両立を目指した取り組みが、ますます求められるだろう。