地球の歩き方が柔軟な編集で新たな魅力を発見、神秘スポットと自治体の連携で低迷を打破

新型コロナウイルス禍からの回復

新型コロナウイルス禍で落ち込んだ旅行ガイドブック「地球の歩き方」の売り上げが急回復している。紹介する対象を従来の外国から国内へ、さらに「調布市」「山口市」といった自治体単位に絞り込んだところ、「地元の人たちが買ってくれるようになりました」と新井邦弘(あらい・くにひろ)社長は語る。

地球の歩き方は1979年に創刊され、2021年には苦境に陥った発行元が学研グループに事業を譲渡した際に社長に就任した。従来の旅行ガイドブックにとらわれない柔軟な編集方針を打ち出し、読者のニーズに応える姿勢を強化している。

国内シリーズの拡充

コロナ禍で行動が制限された時期に「苦肉の策」で拡充した国内シリーズは、2026年3月までに30タイトルに増加した。発行部数は累計で128万部を超え、各地の自治体からは「うちも出して」という声が寄せられている。

このような動きは、地域の魅力を再発見する機会を提供し、地元経済の活性化にも寄与している。新井社長は、地域に根ざした情報提供の重要性を強調している。

新たな試みとコラボレーション

新井社長は、1990年に入社した学習研究社(現・学研ホールディングス)でオカルト・ミステリーを扱う「ムー」や戦史に特化した「歴史群像」の専門雑誌の編集を担った経験を活かし、地球の歩き方でも「ムー」とコラボレーションを実施している。日本の怪奇スポットやイースター島のモアイ像、エジプトのピラミッドなど、世界の神秘スポットを紹介することで、読者の興味を引きつけている。

また、「戦国」や「ハプスブルク帝国」のほか、人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」も取り上げ、歴史や物語の舞台をガイドする試みも行っている。新井社長は「学生時代に世界を旅した経験が生きています」と語り、埼玉県出身の60歳であることを明かしている。

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