千葉の住民がCCS試掘許可の取り消しを求める申し立てを実施

CCS事業化に向けた試掘調査の許可

二酸化炭素(CO2)を回収し地中に貯留する「CCS」(Carbon Capture and Storage)の事業化に向けて、経済産業省千葉県九十九里沖での試掘調査を許可した。この決定に対し、周辺住民らは行政不服審査法に基づき、14日に許可取り消しを同省に申し立てることを明らかにした。関係者によると、住民たちは生態系への影響や事業コストの高さに懸念を示している。

CCSは、工場や発電所からCO2が大気中に放出される前に回収し、地下深くにためる技術である。政府はエネルギー基本計画において、脱炭素化が難しい分野の排出量削減において「不可欠」と位置付けているが、実用化にはコストの低減や漏えいリスクなど多くの課題が残されている。

住民と環境団体の懸念

申し立てを行うのは、九十九里浜に面する千葉県大網白里市と匝瑳市の住民5人と環境団体FoEジャパンである。彼らは、絶滅危惧種であるアカウミガメの産卵への影響や、景観悪化に伴う観光業への打撃を問題視している。また、回収から貯留までのコストが高く、CO2排出削減効果が他の気候変動対策よりも劣ることから「推進すべき技術でない」と主張している。

住民たちは、地域の生態系や経済に対する影響を考慮し、慎重な対応を求めている。特に観光業は地域経済の重要な柱であり、その影響を受けることに対する不安が広がっている。

事業の進行状況

九十九里沖でのCCS事業は、資源開発大手INPEXなどの共同事業体「首都圏CCS」(千葉市)が進めている。この事業は、CO2の回収と貯留を通じて、持続可能なエネルギー供給の実現を目指しているが、地域住民との対話や理解を深めることが求められている。

政府は、CCS技術の導入を進める一方で、地域住民の意見を尊重し、環境への配慮を怠らないようにする必要がある。今後の動向が注目される。

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