保育所大手のダミー求人問題と虚偽の労働条件

全国で主に病院内や事業所内の保育所約300カ所(定員計約9千人)を運営する大手「キッズコーポレーション」(宇都宮市)が、保育士らを集めるため、勤務場所や待遇などの労働条件が事実とは異なる「ダミー求人」をハローワークや民間サイトに出していたことが9日、内部資料や複数の元社員の証言で分かった。

虚偽の求人掲載とその影響

虚偽の求人掲載は職業安定法違反に当たり、6月以下の拘禁刑など罰則もある。求人サイトの口コミで会社の評価が悪いため、社員に偽の良い口コミを書かせていた疑いも判明している。同社は取材に対しダミー求人や偽の口コミ掲載を認めたが、「一部の従業員が過去に行ったもの」として責任を回避する姿勢を見せている。

このような行為は、求職者に対して誤解を招くものであり、信頼を損なう結果となる。労働市場における透明性が求められる中、企業の倫理観が問われる事態となっている。

内部告発と証言

共同通信は社内で交わされていたチャットの画像を複数入手しており、2024年には三重県内の病院内保育所の求人について、採用担当者が「正社員求人は園長ダミー+他園誘導用でそのまま残しておきます」とのメッセージを送っていたことが明らかになった。

元社員は「給与が高い園長や人気のエリアで募集して求職者を釣り、実際には別のポストや園を案内していた」と証言しており、企業の採用活動における不正行為の実態が浮き彫りになっている。

企業の対応と今後の課題

キッズコーポレーションは、ダミー求人や偽の口コミ掲載について一部の従業員の行為であると主張しているが、企業全体の責任として捉えられるべき問題である。労働者の権利を守るためには、企業が自らの行動を見直し、透明性を持った採用活動を行うことが求められる。

今後、同様の問題が再発しないよう、業界全体での取り組みが必要であり、求職者が安心して応募できる環境を整えることが急務である。

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