モンゴルの夏祭りで注目の「シャガイ」競技を天皇皇后両陛下が体験
モンゴルの伝統スポーツ「シャガイ」の魅力
モンゴルの夏を代表するスポーツの祭典「ナーダム」では、有名な相撲、競馬、弓術の他に、今年は一つの競技が特に注目を集めた。それは、モンゴルを公式訪問された天皇、皇后両陛下が体験された伝統の「シャガイ」である。三大競技の影に隠れがちだが、「熱中し過ぎて仕事をしなくなる」として禁止された時代があるほど、国民を魅了してきた。
2025年7月11日、両陛下が体験を終えた首都ウランバートルの試合会場を訪れると、場を清めるためにたかれた香の煙が充満し、「エーエー、アッアエー」と抑揚を抑えた選手たちのかけ声が響いていた。
シャガイの競技内容と歴史
モンゴル・シャガイ協会のアエンフジャルガルさん(43)によると、シャガイにはさまざまな種類が存在する。ナーダムで行われる競技は、動物の角でできた駒を指ではじき、数メートル離れた的を狙うものである。当てると点が入り、得点が多い方が勝利する。的は遊牧民にとって身近な羊のくるぶしの骨で作られており、将棋の駒ぐらいの大きさだ。
この競技は、遊牧民のゲル(移動式住居)内での遊びが原型であり、2千年以上の歴史があるとされる。試合時間は約1時間だが、地方の大会では数週間にわたって勝負が続くこともある。1992年までの社会主義時代には「怠惰の象徴」として禁止令が出されたが、それでも熱烈な愛好家たちはひそかに競技を守り続け、1998年にナーダムの競技に採用された。2014年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された。
現在のシャガイの人気と展望
今でもシャガイの人気は健在である。夫が選手だというミンジンソルさん(22)は、「接戦になったときの緊張感がたまらない」と試合に熱い視線を送っていた。このように、シャガイはモンゴルの文化に深く根ざした伝統的なスポーツとして、今後も多くの人々に愛され続けることだろう。
モンゴルの人々にとって、シャガイは単なる競技ではなく、文化や歴史を感じる重要な要素であり、これからもその魅力を伝えていくことが求められている。