中国系詐欺組織幹部、米英の経済制裁前後に複数回入国し資産保全の疑い
米英政府がアジア最大級の犯罪集団として経済制裁を科したカンボジアの中国系組織「プリンス・グループ」の幹部が、その後日本に出入国を繰り返していたとみられることが11日に明らかになった。プリンス・グループは国際的な特殊詐欺や人身売買に関与しているとされ、幹部らも制裁対象となっている。米韓や台湾の当局が資産没収などに取り組む一方で、犯罪収益の没収に関する法整備が進まない日本において、身の安全確保と資産保全を図った可能性がある。
出入国を繰り返す幹部
出入国を繰り返していたとされるのは、米英政府が制裁を発表した陳小二幹部である。彼は中国で拘束中のプリンス・グループ本体のトップ、チェン・ジー会長の指南役とされている。陳幹部の動向は、国際的な犯罪組織の活動における重要な鍵を握っていると考えられている。
このような状況下で、陳幹部が日本に出入国していたことは、国際的な犯罪対策の観点からも注目されるべき事例である。特に、日本国内での犯罪収益の没収に関する法整備が遅れていることが、彼の行動を助長している可能性がある。
フライトレーダーによる追跡
共同通信は、米英が制裁を発表した昨年10月14日以降、航空機が発する信号を集約する「フライトレーダー24」や「ADS―Bエクスチェンジ」を分析した。その結果、サンマリノ籍で機体番号「T7―CLN」の小型機が成田空港とプノンペン間を、制裁発表を挟んで1回、その後に2回往復していたことが確認された。
このデータは、プリンス・グループの幹部が日本とカンボジアを行き来していることを示しており、国際的な犯罪組織の活動が日本国内にも影響を及ぼしていることを示唆している。今後の捜査や対策が求められる。