中部電力、原発部門の反論を優先し内部通報に「合理的」な主張を展開

耐震データ不正の発覚

中部電力と浜岡原発(静岡県)における耐震データ不正の問題が明らかになった。2020年ごろに寄せられた内部通報に対する対応の詳細が、17日の関係者への取材で判明した。原子力土建部は当時、「合理的な説明がつく」と不正を否定し、通報窓口の担当部署はこの主張を優先する形で処理を進めた。その結果、通報が生かされることなく、経営陣に重要な情報として認識されることもなく、不正が見逃される事態となった。

中部電力は今年1月、耐震設計の目安となる「基準地震動」の策定において不正があったことを発表した。審査では、20組の地震動から平均に最も近い波を「代表波」として選定すると説明していたが、実際には意図的に代表波を選んでいたことが明らかになった。2025年2月には、原子力規制委員会に外部からの情報提供があり、この不正が発覚した。

内部通報の経緯

関係者の証言や内部資料によると、社内の通報窓口には「審査方針とは異なる手法により得られた分析結果を資料に用いているようだ」との連絡が寄せられた。通報者はこの行為を「審査側を欺く行為」と訴えたが、通報処理の事務局は原子力土建部に通報内容を照会した。

処理の記録には「審査方針を順守した上での分析とのこと」との結果が記されており、通報者の懸念は十分に考慮されなかったことが示唆されている。このような対応が、内部通報の信頼性を損なう要因となった。

今後の影響と課題

中部電力の耐震データ不正問題は、原子力業界全体に対する信頼を揺るがす事態となっている。今後、同社はこの問題に対する適切な対応を求められることになるだろう。内部通報制度の強化や、透明性の向上が急務である。

また、原子力規制委員会は、今後の審査体制の見直しや、より厳格な監視体制の構築を進める必要がある。これにより、再発防止に向けた取り組みが求められることになるだろう。

読む  石川県の寺院僧侶殺害事件、した息子が逮捕される
Go up