DB抹消と警察庁の説明を受けた無罪確定の奥田さんの新たな一歩

名古屋高裁が奥田恭正さんのデータ抹消を命じる

暴行罪で無罪が確定した奥田恭正さん（68）＝名古屋市＝に関する重要な判決が、名古屋高等裁判所から下された。裁判所は、奥田さんから採取されたDNA型や指紋などのデータを、警察庁のデータベースから抹消するよう命じた。この判決を受け、奥田さんとその代理人弁護士は8日、名古屋市で記者会見を開き、7日に警察庁の担当者から抹消の説明を受けたことを明らかにした。

記者会見では、奥田さんが警察庁の担当者から示された端末画面の印刷物について言及した。担当者は「データはない」と表示された画面を見せたが、奥田さんは「自分の目で（端末を）確認したい気持ちはいまだにある」と語った。彼は、納得できるまでこの問題を追求する意向を示しつつも、「分かりましたという気分ではない」と率直な感想を述べた。

代理人弁護士の見解

奥田さんの代理人弁護士は、警察庁の対応について「それなりに誠意を示したという印象を受けた」とコメントした。これは、奥田さんの無罪が確定した後のデータ抹消に関する手続きが、一定の透明性を持って行われていることを示唆している。

しかし、奥田さん自身は、依然として不安を抱えている様子であり、データが本当に抹消されたのかどうかを確認するためのさらなる措置を求める可能性がある。彼の無罪判決は、社会的な影響を及ぼす重要な事例であり、今後の展開が注目される。

今後の展望

この判決は、無罪が確定した場合における個人情報の取り扱いについての重要な前例となる可能性がある。奥田さんのケースは、今後の法的手続きや警察のデータ管理において、より慎重な対応が求められることを示している。

奥田さんは、自身の名誉回復を目指し、引き続きこの問題に取り組む意向を示している。彼の闘いは、無罪判決を受けた他の人々にとっても、重要な指針となるだろう。