九州で初めて確認された蝦夷の古墳、強制移住の「防人」説が浮上
福岡県那珂川市で約20年前に発掘された3基の古代墳墓が、石の積み方などから古代に東北地方で暮らしていた蝦夷の長らの墓である可能性が高いことが明らかになった。これらの墳墓は、一部が九州に「防人」として移住させられた蝦夷のものとみられており、九州で蝦夷の墳墓が確認されるのは初めてのこととなる。この発見について、分析を行った「大野城心のふるさと館」(同県大野城市)の上田龍児氏は、「今回の発見をきっかけに、各地で研究が進めば」と期待を寄せている。
墳墓の特徴と歴史的背景
今回発見された墳墓は、構造や規模から末期古墳である可能性が極めて高いと考えられている。末期古墳は主に北海道や東北地方で確認されており、これらは蝦夷の墓とされている。古代の蝦夷は、主に東北地方に居住していたとされ、彼らの文化や生活様式は、当時の日本の歴史において重要な位置を占めていた。
墳墓の発掘は、2005~06年度に行われた九州新幹線の工事に伴い、福岡県教育委員会が実施した調査によるものである。この調査によって、古代の人々の生活や文化を知る手がかりが得られることが期待されている。
今後の研究への期待
上田氏は、今回の発見が今後の研究に与える影響についても言及している。彼は、「このような発見があることで、他の地域でも古代の人々に関する研究が進むことを願っている」と述べており、古代日本の歴史をより深く理解するための重要な一歩であると考えている。
また、九州での蝦夷の墳墓の確認は、これまでの歴史的な認識を見直す契機ともなり得る。今後の研究によって、古代の人々の移動や文化交流の実態が明らかになることが期待されている。
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